2025/11/19

地域で活躍する生徒たち

いろいろな生徒が、学校外で頑張っています。

特にE-nnovationという教育関係NPO法人では、本校卒業生や本校の現役生徒が学生代表を務め、企業や行政団体の要人と会って話して、教育関係のイベントへの協力を求めるなど、活躍しています。

「E-nnovation」の高校生代表の生徒たち
後列左より 佐々木さん・鈴木くん(高3)・大木くん(高3)・熊谷くん(高3)・宮地さん(中5) 
前列左より 三木さん(高3)・大塚さん(高3)・打越さん(中5)

「ひたちなか祭り」や高校生のための高校生による音楽の祭典「TEENS ROCK」のほか、以下の企画運営も彼らが行っています。

ぜひ皆さんも、学校外での活動を通して仲間を作ってみてはどうでしょうか。

2025/11/18

茨城県WWL×常磐大学 「(外国にルーツを持つ子どもへの)日本語支援体験講座」

 令和7年11月13日(木)の県民の日に、常磐大学×茨城県WWLによる公開講座「日本語支援体験講座」が常磐大学で開かれました。この講座は、茨城県WWLのコンソーシアムメンバーである常磐大学人間科学部の飯野令子教授と石﨑友規准教授が、茨城県WWLの拠点校である本校と連携校のために企画してくださいました。

本校からは日本語教育や外国人支援に関心のある5名の生徒が参加しました。この講座は、教員免許を取得するための勉強をしている常磐大学の学生と一緒に行いました。

まず最初に、飯野教授から、

・外国にルーツをもつ子どもたちが、家族間であっても同じ言語で意思疎通が図れないなどの複雑な言語環境に置かれており、日本語の学習の支援を必要としていること

・そうした子どもたちは、親が生きるために祖国を離れ、日本に外国人として来日したことで、非常に大きなストレスにさらされ続けること

などについて講義をしていただきました。

実際にひたちなか市に小学校のときに来日し、親は日本語をいまだに十分に話せない環境にありながら、自分自身は大変な努力をして日本語を習得し、常磐大学に学んでいるフィリピン出身の学生にも話を聞きました。彼女の妹は日本語しか理解できず、親が話すフィリピンのことばができないため、家では、彼女が親と妹間の通訳をしているそうです。

その後、石﨑准教授による、常磐大学の教職課程の学生たちの授業にお邪魔し、外国人児童生徒と一緒にゲームを楽しみながら日本語を学ぶ、というプロジェクトに参加しました。

最初に、笠間市の日本語支援団体でボランティアとして外国人児童の日本語教育に関わっている学生の方から、日本語支援をどのように行っているかというプレゼンがありました。

その後、グループごとに分かれ、それぞれに考案した日本語を学ぶためのゲームを、この日のために訪れてくれた外国人児童生徒と一緒に楽しみました。

最初は本校生も戸惑っていましたが、積極的に子どもに話しかけ、ゲームを盛り上げようとする常磐大学生たちの配慮のおかげで、だんだんとプロジェクトの一員としてゲームに参加できるようになってきました。
  外国人児童に、グループで考案したお買い物ゲームを教えています。「この字は読めるかな?」本校生が手伝っています。
配られたひらがなのカードを組み合わせて、言葉を作るゲームです。
           
 「どういうことばができるかな?」外国人児童と一緒に考えています。
  小さい小学生から同い年の高校生まで様々な外国にルーツを持つ子どもたちと話すことができました

 水戸市の日本語教室から来てくれた国籍も年齢も多様な外国にルーツを持つ子どもたちと関わることで、これからの学校教員にはこのような日本語支援を必要とする児童生徒への指導の知識や経験が必要になる、ということがわかりました。

以下は生徒の感想です。
◆この活動を通して、日本語が不自由なこどもにも様々なタイプがあることや、母国語と日本語を同時に学ぶことでどちらも伸ばすことができるなど、初めて知った大切な学びがありました。大学生の方々との交流では、人との接し方を自然に学ぶことができました。この経験は、将来や進路で悩んでいた自分に大きなヒントをくれました。この講座に参加することができて本当によかったです。
◆日本国籍をもっていても日本語学習の支援が必要な外国人が1万人以上もいる現実に驚きました。大学生が考えたゲームでは、外国籍の子供たちと一緒に日本語を通して遊ぶことができて楽しかったです。よい異文化交流の機会となりました。
◆外国にルーツをもつ子供たちで、なぜ日本語が話せない子供たちがいるのか理解することができました。今回、これまで自分がボランティアで関わってきたひたちなか市の日本語教室での経験が役に立ちました。あっと言う間の3時間でした。今私は「やさしい日本語」について調べています。常磐大学の皆さん、ありがとうございました。
◆このイベントに参加できて本当によかったです。年々増加している日本語の支援を必要とする外国にルーツをもつ子供たちの課題などを学んだあと、実際に外国籍の子供たちと日本語のゲームを通して一緒に楽しむことができてとても貴重な経験になりました。自分には、外国にルーツをもつ友人がいるので、今回の講座を親身になって聞くことができました。彼らは、母国語と日本語という言語の違い、さらには文化の違いを、小さい頃から受け入れなければならず、とても大変だと思います。今回の活動を通して、言語を学ぶ側ではなく、言葉を教える側の難しさに気づきました。ありがとうございました。
◆日本語指導が必要な外国人にも色々な背景をもつ人がいることを学んだ。大学生との交流を通して、外国人も楽しめるゲーム作りも学ぶことができた。ふだんボランティアを行っているひたちなか市の日本語教室に通ってくる外国人とは違った年齢層の人と交流できて楽しかった。

勝田中等教育学校は、茨城県WWLの拠点校として、「茨城県を未来型ダイバーシティ県にするための教育」をテーマに探究活動を行っています。生徒たちは、3年次のグローバルゼミ、4~5年次の英語ゼミを通して、多文化共生社会について学び、課題解決に向けて様々な研究をしています。今回の常磐大学主催の「日本語支援体験講座」は、そのような生徒にとっても非常に貴重な学びの機会となりました。常磐大学の先生、学生の皆さん、本当にお世話になりました。

11/30(日)には、本校の体育館において、茨城県WWL(本校)×茨城大学×茨城高専×ひたちなか国際交流協会による「防災運動会」を開きます。地域の外国人と日本人がともに、防災知識を楽しみながら身に付けようという企画です。興味がありましたらぜひご参加ください。









2025/11/11

グローバルデイ②

 11月8日(土)に今年度2回目のグローバルデイを開催しました。

グローバルデイは海外留学・海外語学研修や海外大学進学などに関する情報を生徒及び保護者と共有するために、年に2回行っているイベントです。今回は50人を超す生徒・保護者の参加がありました。

第一部は留学・海外大学進学説明会です。

初めに「留学体験談」。本校では、昨年度から今年度にかけて8人の生徒が長期留学をしました。

 
アメリカに留学した二人。アメリカの高校ではすべて現地生と同じ授業を取り、ディベートやプレゼン大会に参加したり、生徒会やクラブ活動に参加したり盛り沢山な1年を楽しみました。また、学外の活動としてガールスカウトなどにも参加しました。ホームシックに苦しんだときは、同時期に違う場所で留学をしている仲間と、悩みを相談し合って乗り越えました。


カナダ留学をした二人。カナダは留学生をたくさん受け入れているので、留学生イベントがたくさんあり、それに参加して、世界各国からの留学生の友達がたくさんできました。移民の多い国なので、いろいろな発音の英語に慣れることもできました。1年留学と半年の留学を経験したふたりが、それぞれの期間のメリット、デメリットも話してくれました。

 
最後はニュージランドへのターム留学の報告です。約4ヶ月の留学の中で、語学だけでなく、ニュージーランドのマオリ文化についても深く学ぶことができ、現地文化に対するリスペクトの気持ちが湧きました。また、日本が冬の時期に、ニュージーランドのベストシーズンにいろいろなアクティビティを楽しむことができたのも良かったです。

堂々と発表をしてくれた留学経験者の皆さん。留学の楽しみも苦しみも経験して成長した姿が眩しいです。


国際教育交流ネットワーク機構の本庄さまからは、アメリカとカナダ留学の説明がありました。来年度夏からの留学に向けてこれから動き出そうと考えている生徒もいて、皆さん真剣に聞き入っていました。

ISAの永井さまからはオーストラリア・ニュージーランド留学と海外大学進学についてお話がありました。海外大学進学は学費や生活費でかなり高額になる場合が多いのですが、いろいろな奨学金の機会があるので、早く調べて準備することが大切です。

その他、様々な海外研修プログラムなどを学校から紹介しています。生徒のみなさんが世界へ飛び出すお手伝いをしていきます。


第二部は大妻女子大学名誉教授の服部孝彦先生のワークショップです。

こちらには中等5年次生が11人参加して「英語で意見を論理的に述べる力の育成:賛成・反対を論理的に伝える構成法」について学びました。Should you use smartphones during lessons?(授業中にスマホを使うべきか)などのシンプルなお題に対して、説得力のある理由をつけて論理的に意見を述べます。


テンポよく次々に出されるお題、温かくユーモアあふれる服部先生のお人柄に、生徒たちの発言もどんどん滑らかに。自分の意見を言いたくてたまらない雰囲気になっていきます。明るい笑い声のあふれる教室となりました。



ペアでたくさん練習をしたあとに、みんなの前にでてプレゼンを。ドキドキしながらも堂々としたものです。


【生徒の感想】これまでは、論理的に意見を伝える際に、「自分のポジションが優れている理由を述べること」だけが大切だと思っていましたが、相手からどのような反論があるかを想定して、それに対して反論をすることも有効だとわかりました。・オールイングリッシュで参加した生徒たちの意見を豊富なお題とユーモア溢れる先生の進行とともにシェアできた今回の授業はとても楽しかったです。ディスカッションを通して自分が思い付かなかった意見を知れたり意見を述べる方法について知ることができました。私は自分の英語力に自信がないので、前で発表することが苦手ですが、先生が楽しく話しかけてくれたりして穏やかな雰囲気を作ってくれたので発表しやすかったですIt was fun to state my opinion in English, discuss many different topics with others, and get to know various opinions. I think I could improve my skill to make a speech in English confidently. It was sometimes difficult to come up with clear opinions in a short time and explain them immediately in English. I'd like to keep practicing to be able to exchange opinions with various people around the world in the future. Thank you so much for teaching us how fun discussion and presentation is today.


最後に服部先生と記念写真を撮りました。みんな口々に「楽しかったです!」と言って帰っていきました。服部先生、楽しくて力が付く、素晴らしいワークショップをありがとうございました。










2025/11/07

ひたちなか市教育長への表敬訪問~グローバルに活躍する本校生~

  令和7年11月6日(木)の夕方に、世界大会や海外派遣プログラムに参加した本校生がその成果をひたちなか市教育長に報告するため、表敬訪問を行いました。

左から校長、5年次雨谷さん(高野小出身)、4年次奥平さん(高野小出身)、5年次今立さん(長堀小出身)、5年次上田さん(長堀小出身)、ひたちなか市の秋本教育長                                   

まず、World Scholors' Cup(ワールドスカラーズカップ)のソウル世界大会に参加した雨谷さん、今立さん、奥平さんが、世界大会の様子と成果を報告しました。詳細については、本ブログをご覧ください。勝田中等教育学校公式ブログ: ワールド・スカラーズ・カップ(WSC)世界大会出場!
この世界大会には3年連続で本校から出場しています。今年は雨谷さんのチームが金賞、奥平さん・今立さんのチームが銀賞を獲得しました。そして個人では雨谷さんが銀賞を受賞し、アメリカのイェール大学で行われる決勝への切符を獲得しました。 
  次に、AIG高校生外交官プログラムの日本の代表高校生20名の一人に選ばれ、2週間アメリカのワシントンDCに派遣された上田さんが、アメリカ代表の高校生とともに過ごしたプログラムについて報告しました。

上田さんは、アメリカの政治や文化を肌で学ぶこのプログラムの中で、2週間アメリカ代表の高校生の一人と共同生活をし、いろいろな活動をともにする中で、お互いの理想や課題を話し合ったり、すれ違いを乗り越えたりしてきました。そして、国や文化が異なる高い志をもった仲間と強い絆で友情を育むことで、一段と成長し、「もっと成長したい」という強い気持ちをもったと言います。

この4人は市内のひたちなか市立の小学校出身ですが、県立学校で大いに活躍しています。最後にひたちなか市教育委員会の皆さんにも挨拶をしました。

将来今回の4人が、高市首相のように未来の女性のリーダーとして活躍してくれる日がくることを期待しています。


ミラタン・カフェ「エンジニアのお仕事」

 11月5日(水)に講師に日立エナジージャパンからProject engineerの滝沢直也先生をお招きしてミラタン・カフェ「エンジニアのお仕事」を行いました。

中学で英語に興味がわき、高校では理科や数学に興味、広く学べる大学へ進み、電気電子を学びました。何がやりたいかわからないまま就職活動の時期を迎え、悩んだ末「電気が一番大事だ!」と思い、電気に関連する会社へ就職したそうです。

「装置や仕組みをつくる人」をエンジニアといいます。いろんな分野にエンジニアがいます。機械系、電気系、情報系などなど。身の回りのあらゆるものにエンジニアの仕事が関わっています。情報(ソフト)ともの(ハード)の両方のエンジニアリングがあります。重工業のエンジニア、ITのエンジニア、ゲームのエンジニアなどそれぞれの仕事内容がどういうものなのか、そして中学高校の勉強でどんな力をつけておくことが必要かを教えて下さいました。 

エンジニアの仕事に就くためには、中学高校時代に数学(特に三角関数)、物理、技術・家庭、情報などの勉強をしっかりしておく必要があります。プログラミングでは英語が重要、お客さんが何を欲しがっているのかをきちんと読み取らなければならないので国語力はとても重要、ゲームには光の使い方などが関わってくるから物理が重要、すべての分野で早く情報を入手するために英語が重要・・・要するに、いろいろな分野の勉強を頑張っていると将来の仕事につながってきそうです。



全体会が終わった後も、いろいろ質問が出ました。物理の教科書を出して、頭をくっつけてあれこれ説明し合ったり、何やら計算し始めたり。変圧器の仕組みに興味がある人もいました。



最後には進路や人生についての質問も。海外での仕事経験も豊富な滝沢先生からのメッセージは、

・違う考えを持っていても、どちらが合っていてどちらが間違っているではなく、見方・考え方が違うだけで「どっちも正しい」。

・大学にしても就職にしても、人に決定を任せず「自分で決める」のが大事。


エンジニアのお仕事だけでなく、人生についても考えてみた良い時間でした。

滝沢先生ありがとうございました。